花の家
 香里は、そっと朝蜘を観察する。

はっきり言って、昨日から、朝蜘の好感度は急降下中だ。

大体、いきなり一緒に住めだなんて、横暴すぎる。

「館花、箸がとまっている。食べるときは、ちゃんと食べなさい」

「館花、箸の持ち方が間違っている、これを機に直しなさい」

 その上、これだ。

こんな人と暮らしていくなんて耐えられない!

 ご飯の席でまで、小言を聞かなけりゃならないなんて。

 多郎ちゃんだって、ここまでひどくない。

それに、多郎ちゃんの叱り方のが優しい。

 香里は、ぶすくれて朝蜘に返事をしようとしなかった。


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