花の家
「母さんが、姉さんの分の弁当も用意してくれたから」
いつも通りに、桃色の布に包まれたお弁当に、またうるっときてしまった。
しかし、続いた言葉には心が沈む。
「正式に籍を入れるまでは、うちの娘だから、って」
籍を入れる……ほんとのほんとに?
「こんなのおかしいよ……」
勝手に決められた結婚相手なんて。
「嫌なのか?」
鈴が、視線をちろりと寄越して当たり前のことを問う。
いつも通りに、桃色の布に包まれたお弁当に、またうるっときてしまった。
しかし、続いた言葉には心が沈む。
「正式に籍を入れるまでは、うちの娘だから、って」
籍を入れる……ほんとのほんとに?
「こんなのおかしいよ……」
勝手に決められた結婚相手なんて。
「嫌なのか?」
鈴が、視線をちろりと寄越して当たり前のことを問う。