花の家
 わかんない、そんなのわかんないよ!

 鈴は、わたしと先生が結婚しても何も思わないっていうの?

何で反対してくれないの?


「鈴がわたしを心配してくれるのって、わたしが花のむすめで、鈴が虫の家の子だから?」

 お家がお家が、という話を聞かされて、そんな疑問が口から出た。

「本気で言ってるのか……?」

 鈴が目を見開く。

だって、そうじゃないの?

だんだん、周りが信じられなくなってくる。

黙りこんだ香里の肩を、鈴目は突き放した。


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