花の家



「ほめられたものではないな、蜂須賀。館花を置いて、登校とは」


 ひと足先に学校へついて、全身から不機嫌なオーラを出している鈴目に、朝蜘は事もなげに声をかけた。


職員室の窓辺から半分、体をのりだした格好だ。

「そんなに言うなら、アンタが職員会議でも何でも休んで、ついててやりゃいいだろ!」


 珍しく噛みついてくる鈴に、朝蜘は呆れたように眉をあげる。

「やつ当たりはよせ、何か文句があるなら、言えばいい」

 目上の冷静な言葉に、鈴は肩にかけていたスポーツバッグを投げつけた。


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