花の家
わたし達の学年が卒業したら、本校舎に新しい図書室ができるらしい。
多郎ちゃんだけ新しい図書室が使えて、ずるい!
なんて言ってたなあ。
香里は、多郎の困った顔を思い出して、くすりと笑う。
家に、帰りたいなあ。
でも、わたしの帰る家は、朝蜘先生の家になってしまった。
「……考えない、考えない」
ひたすらに沈んでいきそうな気持ちを励まし、香里は図書室のドアノブを握る。
ぐわしゃああぁっ!
扉を開けたのと、すさまじい音が廊下に響いたのは、ほぼ同時だった。
多郎ちゃんだけ新しい図書室が使えて、ずるい!
なんて言ってたなあ。
香里は、多郎の困った顔を思い出して、くすりと笑う。
家に、帰りたいなあ。
でも、わたしの帰る家は、朝蜘先生の家になってしまった。
「……考えない、考えない」
ひたすらに沈んでいきそうな気持ちを励まし、香里は図書室のドアノブを握る。
ぐわしゃああぁっ!
扉を開けたのと、すさまじい音が廊下に響いたのは、ほぼ同時だった。