花の家

 かぶとやさんは、すごく、うちひしがれている。


「知らんじゃと……わしら一門が、どれほど貴様のせいで……」


 貴様って、わたし……?

 ひどい言いがかりじゃないか。

知らない相手に、私がどんなことをするって言うんだろう。

「貴様のせいで、」


 かぶとやさんは押し潰したような声色で言って、咳こんだ。


口元を手で押さえて、咳を静めようとするんだけど上手くいかないみたいだ。


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