花の家
花ひらくとき
花が咲いていた。
その花は、まだ若く、色づいているのに、泣いていた。
どうしたの、と尋ねれば、
帰りたいのです、と泣き腫らした目で答える。
こすって赤くなった目尻は、花びらよりも深く染まっている。
一遍で好きになった。
お願いです、と花は言う。
お願いです、どうか。
「-------- 。」
約束するよ。
必ず、君の願いを叶えよう。