花の家
魚の骨を取りながら、淡々と話す多郎に鈴は唸った。
「俺だけ馬鹿みたいに言うなって。ガキの頃の話だろうが」
小学校も低学年のころの話だから、鈴の主張もそう間違ってはいない。
「あんたが馬鹿かどうかは、どうでもいいわよ。で、その《てふ塚》が何なの」
話を全く聞いていないかのように見えた智恵子が、身も蓋もなく尋ねた。
「最近、その塚が壊されたんだってさ。俺ら、よくあそこで遊んでたじゃん?」
犯人と疑われた訳か。
鈴には悪いけど、確かに彼がやったと言われたら信じてしまいそうだ、と香里は思う。
鈴は、やることが派手だし、洒落にならない悪戯は十八番だ。
昔、カカシの代わりに校長像を畑へ運んだ事件を香里は忘れていなかった。
「俺だけ馬鹿みたいに言うなって。ガキの頃の話だろうが」
小学校も低学年のころの話だから、鈴の主張もそう間違ってはいない。
「あんたが馬鹿かどうかは、どうでもいいわよ。で、その《てふ塚》が何なの」
話を全く聞いていないかのように見えた智恵子が、身も蓋もなく尋ねた。
「最近、その塚が壊されたんだってさ。俺ら、よくあそこで遊んでたじゃん?」
犯人と疑われた訳か。
鈴には悪いけど、確かに彼がやったと言われたら信じてしまいそうだ、と香里は思う。
鈴は、やることが派手だし、洒落にならない悪戯は十八番だ。
昔、カカシの代わりに校長像を畑へ運んだ事件を香里は忘れていなかった。