繋いだ手
日常:)
爽やかな青空が広がる
5月のはじめ。


今日もいつも通りの光景
が広がっている。











「だぁ〜!!あたしのりんご返せぇ〜!!!!!!!!」

「うっせーな。もう食べちゃいました〜☆」

「この糞野郎...。」

うぅ。
あたしの大事な
ウサちゃんりんごがぁ。
今日はいつもより
早起きしたから
一生懸命作ったのに。

授業中もずぅっと
楽しみにしてたのに…!!



今、大好きなウサちゃんりんごを奪われて発狂したのは私、小高里央(こたかりお)。


そして、私の愛しのりんごちゃんを、その汚らわしい手でつまみ!!
汚らわしい口に運んだのは!!!




桐原颯(きりはらそう)、15歳。




「お前、高1にもなってウサギさんって、どんだけだよ!?」


私を見下して、バカにするように嫌みな笑いを浮かべる。

こいつ...。

背があたしより高いからって見下ろしやがって。


「ふふふ...。ねぇ、颯?食べ物の恨みは恐ろしいって知ってた...?」


知らないはずないでしょ。

この前、颯が言ってたんだから。


「知ーらない。それ、食い意地はった里央は恐ろしいの間違いじゃねぇの??」


!!!
こいつ...。


「もはや生かしておけん!!」

「望む所だよ!!」



そう言って二人は乱闘を始めた。


これがいつもの光景。



色気も何もない、いつもの光景。


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