言ノ葉
愛しい人
『ずっと一緒だよ』
それは、あなたが言った言葉。
儚くて、優しい言葉。
そんなあなたの事が、愛しくて仕方がない。
だけどやっぱり、ずっとなんて続かない。
甘い夢にも、いつか終わりが来るの。
私達の終わりもすぐそこに…。
『愛してるよ、ずっと傍にいるから。僕がいなくなっても悲しまないで、僕はずっと君の傍にいるよ。寂しくなったら風を感じて、僕は風になって君を包むから。悲しくなったら呼んでみて、きっと傍にいるから。眠れなかったら月を見て、月になって君を照らすから。だから、悲しまないで僕は君の中でも生き続けるから。』
彼はそう言って、私の前から消えてしまった。
あぁ…、愛しい人。
一筋の線を伝って、雫が落ちた。悲しい色をした、雫が。
ふわり。
暖かい風が吹き、雫を拭い、私は包まれているような感じがした。
あぁ、そうだ。
愛しい人は傍にいてくれる。いつも私の傍に。
だから、進もう。
悲しんでばかりはいけないんだ。
だから、見ていて。
もう1人じゃないから、もうすぐ2人。あなたと私の愛しい子を見守っていてね。
私の愛しい人。