君の音が聞こえる
「特進は右、普通科は左」
壁には変な張り紙が。
私は首を傾げてそれを読んだ。すると雪江が私の
手を引いて右へ連れて行く。
「雪江、なんで普通科の人たちと分かれてるのかな」
「花音知らないの?特進はこの学校ではエリートなんだよ?エリートが優遇されて当然なのよ」
雪江は誇らしげに話すが
どこか洗脳されている様に
見えたのは気のせいか。
右の購買では
やたら種類が豊富で
美味しそうな物が並ぶが
左の購買では
まるで与えられるかの様に
生徒がパンやおにぎりを
受け取っている。
(なんかおかしいよ…)
私は異様な光景に
食欲を失いかけて
しまっていた。