檻の中のちっぽけな生き物
霞みのかかった目でインコに嘴で突かれた指の具合を確かめながら、男は店の奥へ奥へと進んでいく。途中、子犬や子猫の入った檻を両手で掴んで乱暴に揺すり、亀の入った水槽に平手を打ちつけた。金魚鉢をひっくり返して割ってしまった時には少し罪悪感を覚えたが、十歩も進むと床の上で震える金魚のことも忘れた。そうやって、展示された様々な動物達にちょっかいをかけながら、酔っ払いの男はどんどん奥へと進んでいった。