歌って聞かせてよ。
許してくれるんだ…。


また涙が出そうになった。


「ここ寒いだろ?病室戻ろーぜ。」



「…うん。」


握られた手はすごく温かかった。


病室に入ってからも、光輝君は私のは手を放さなかった。




ベッドに私を座らせると、いきなり私を抱き寄せた。


私は自分の顔が熱くなるのを感じながら、光輝君の胸に顔をうずめる。


「俺…かなりお前に支えられてるよ…。」



「…え?」



予想もしなかった言葉に私は驚く。





「桃がいるから、いつも心から笑えるんだ。」




涙は抑えられない。


次々と溢れてくる。



「今日…さ、1人で病院の中歩き回ってたら、今日元気のない笑顔だねって色んな人に言われたんだ。」


私…光輝君の役に立ててたんだ。



「役に立ってたんだね…。よかった。」



ほっとした私を今度はもっときつく抱き締める光輝君。


「こ…うき…君?」


「だから…だからずっと、俺のそばにいてくれないか?」



まさか光輝君にそんな言葉をもらえるなんて…。



「もちろんだよ!」


嬉しくて嬉しくて、私も光輝君の背中に手を回した。
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