歌って聞かせてよ。
(あー…今日もいい天気だなぁ。)
私はこの病院の中庭に植わっている小さな緑です。
…つまり、木なの。
いつも病気が治って、元気になって退院していく人たちを見送るのが日課。
ほら…今日はあの子が退院かぁ。
「お母さんねー、今日は退院祝いにケーキ買ってくれるってーっ!」
(よかったね。)
人みたいに声は出せないけど、いつも色んな人を祝福しているの。
「あ!この木、お花咲かなかったねー…。」
「あらあら、今はまだ寒いでしょう?暖かくなったらこの木は綺麗なお花が咲くのよ。」
(ごめんね…。季節には逆らえないの。)
看護師さんと5歳の女の子の会話。
(頑張って綺麗な花を咲かせてみせるよ!元気になって、また会いに来てね。)
その後、女の子は嬉しそうにお母さんと家に帰っていった。
私は雲ひとつない空を見上げる。
(すごくキレイ…。)
すると…
ガララ……パタン。
(あ、光輝(コウキ)君。)
光輝君とは、私目の前の病室にいる男の子。
今日は先生に診断してもらったんだね。
…なんて言われたんだろう。
私はこの病院の中庭に植わっている小さな緑です。
…つまり、木なの。
いつも病気が治って、元気になって退院していく人たちを見送るのが日課。
ほら…今日はあの子が退院かぁ。
「お母さんねー、今日は退院祝いにケーキ買ってくれるってーっ!」
(よかったね。)
人みたいに声は出せないけど、いつも色んな人を祝福しているの。
「あ!この木、お花咲かなかったねー…。」
「あらあら、今はまだ寒いでしょう?暖かくなったらこの木は綺麗なお花が咲くのよ。」
(ごめんね…。季節には逆らえないの。)
看護師さんと5歳の女の子の会話。
(頑張って綺麗な花を咲かせてみせるよ!元気になって、また会いに来てね。)
その後、女の子は嬉しそうにお母さんと家に帰っていった。
私は雲ひとつない空を見上げる。
(すごくキレイ…。)
すると…
ガララ……パタン。
(あ、光輝(コウキ)君。)
光輝君とは、私目の前の病室にいる男の子。
今日は先生に診断してもらったんだね。
…なんて言われたんだろう。