歌って聞かせてよ。
第8章 お願い…神様。
運び込まれた光輝君はその後、なんとか安静になった。


病院も消灯時間になったから次々と病室から明かりがなくなる。






私はまた中庭の木の下で空を見上げていた。



「あ…!満月!」



もう4月の半ば。


私が人間になって1ヶ月。



もう1ヶ月もたったんだ。


なんか…長いようで短かったなぁ…。












……。





だんだん満月を見ていると…神様が憎くなった。




「なんでなんですか…。」






「なんで光輝君を苦しめるんですか!?」




「な…なんで光輝君にあんな病気をかけたんですか!?」



「光輝君…歌が大好きだった。歌ってる時の光輝君の顔、誰よりもキラキラしてた!」




「なのに…どうして…。」



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