歌って聞かせてよ。
「あなたもわがままですねぇ。」






…え?




涙で滲む空をよく見ると、満月の逆光で人型の影が降りてくる。





「だ…れ……?」







空から降りてきたのは小さな小人。




「僕はスクラウトと言います。」





…???






私…夢みてるのかな。


自分のほっぺをつねる。




「いたっ…。」



「な、何をやってるんですか!?夢ではありませんよ。」





「…。」




信じられない…。








「前に神様はあなたのたった1つの願いを叶えたはずです。」




…私が人間になれた時の事だよね。





「そしてあなたはたったった1つと言ったはずなのにまたお願いをした。」




「……叶えてはもらえないんですか?」






そう聞くと小人…スクラウトは少し悲しそうな目をして言った。




「叶えられます。」



「じゃあ…!! 」




「でも、条件があります。」



「条件?」


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