歌って聞かせてよ。
光輝君はちらりと棚に置いてあるiPodを見た。

それから…



「♪〜♪〜」


(あ、気のせいかな…。いつもの光輝君に戻った。)







1人の病室だから、いつも綺麗な歌声で歌を歌ってくれる。



私はこの歌が大好きなの。


(ねぇ、もっと歌ってよ。)


歌い終わった光輝君。



「あー、寒っ。」



カララ…



窓を閉めてしまった。


(はぁ…人間になれたら、声に出せるのに。)


光輝君の歌がもっと聞きたいから、私は人間になりたい。



でも…











叶わない願い。
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