大きな愛
そして、そんな風に過ごしてあっという間に夜になった。もう...病院に帰るんだ...。もっと一緒にいたかったし、ずっとずっと色んなところに行きたかった。






「もう...帰らないといけないんだよね...」

「そだな...」

隣を見ると、切なそうにする賢治がいた。賢治も...あたしと同じ気持ちなんだね...。
どんなに同じ気持ちでも...どんなに神様があたしたちを出会わせても...この運命は変えられないんだよね...。それなら...奇跡があるなら...あたしを健康にしてよ。そしたらお互い傷つかないですむから...。




この病気さえなければ...あたしも、賢治も...悲しむことなんてなかった。




神様がいるなら...あたしたちを助けてよ...。





そして、あたしが寝ていて車がとまった。



あぁ...もう着いたんだ...早いよ...。
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