大きな愛
あたしが目を開けて窓の外を見ると、


「え...ここ...
病院じゃないよ...って...結婚式場...」


「どうして??だって...あたしたち...」


「内緒にしててごめんな...俺...どうしても最後に美月にいい思いしてほしかったから...それでさ、式...あげる前にさ...美月に書いてほしいものがあるんだ...」


そういって、賢治は紙を取り出した。




「婚姻届...」

「ここに名前を書いてほしい...」







あたしは泣きながら、婚姻届に名前を書いた。


「本当に...いいの...??あたし死んじゃうんだよ?死んじゃう人と結婚して...幸せなの?ねぇ...賢治...やっぱりこれ...」

「ありがとう...明日にでもこれ提出するよ」

「ねぇ...あたしのはな...」

あたしが言おうとした瞬間、賢治はあたしを抱きしめた。
< 123 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop