大きな愛
すると、背後から誰かにあたしの切ろうとする右腕を掴まれた。



「誰よ!?あたしの邪魔しないで!?」
別にとめてなんて言ってないんだよ!




「やめた方がいいんじゃない?」



は??
何こいつ…。
全然顔見えないし…
不審者か?




「うるさいよ!!
今から死ぬの!!
ほっといてよ!!」
あたしの気持ちなんて…誰にもわからないんだから…。みんなあたしを独りにするんだから…。
またそれの繰り返しでしょ?





「無理…自分の身体なんだから…」
その人は着ていたコートを被せてくれた。



「いらないよ…。
いらないもん…」
だけど、せっかく被せてくれたし温かいから返す気にならなかった。
温かいから…余計泣けてくる…。




「ここで待ってろよ」
その人は優しい口調で言ってから、何処かへ行ってしまった。


出来れば行かないで欲しかった。そばにいて欲しかった。





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