空色パレット
そんなことより、立派な犯罪してるやつに怒られたくない。


「どうせ、笹河なんて来るわけない」


「何でだ?」


「…実は…笹河、事故にあって……っ…」


嘘泣きをしながら、ちらっと男を見た。

心配そうな顔だったもんだから、思わずにんまりとしてしまった。


「それで…くっ…意識不明の重体で……」


「…」


すると、突然男の携帯が鳴った。


「もしもし………何だと?……わかった」


嬉しそうに笑いながら、あたしに顔を近づけた。


「ガキとサッカーをしていたそうだぞ、笹河」


あんのバカーッ!!
演技がんばってたのにぃ!


何かあたし、危ないかも。


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