空色パレット
遊園地へとタクシーで向かう途中、電話がかかってきた。


「もし…」


『バカっ、今どこだ!』


笹河だ…。
めちゃくちゃ怒ってんじゃん。


『今すぐ戻ってこい!』


「え…あの…」


『お前ら、危ないんだよ!』


危ない?

考えようとしたとき、目の前に拳銃を持ったタクシーの運転手。


…あれ?


「お嬢ちゃん、その携帯を壊されたくなかったら切りな」


…遅いよ、笹河ぁぁ!
こいつ、誰なの!?


圭もビビっている。
当たり前だけど。


『聞け。電源は切ったフリをしとけ。下着の中にでも携帯を隠さないと壊されて、お前らを助けることはできない。わかったら、咳を一回しろ』


「…コホッ」


「さぁ、お嬢ちゃん。電源切りな」


「は、はい…」


切ったフリをして、バッグの中に入れたと思わせて…ブラに携帯を挟んだ。

よ、よし。

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