空色パレット
いいよ、別に。

笹河の服で拭くから。


「服がぐっしょりしてるんですけど…」


「だってー…」


笹河にしがみついていると、笹河はあたしをギュッと強く抱きしめた。


「飯、ちゃんと食えよ。熱中症で死なれても困るしよ」


「うぁぁぁぁぁん…」


「泣きすぎだろ…おい、もう服が…」


「笹河…さん…」


「何だ?」




「人ん家に、女連れ込んでんじゃねぇー!」




笹河のお腹をおもいっきり殴った。


「うっ…!」


まったく!

ここは、あたしん家だよ?
あんたは、居候なんだから!


< 312 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop