空色パレット
「笹河さんは、その…一緒に暮らしてて…」


「一緒に?」


「だからっ…」


「ダメだ」



どうして?

ていうか、まだ重要なとこ言ってない。



「『これからも一緒に暮らしたい』。そう言うんだろう?」


「お父さん…」


「反対だ。それに、仕事だってよくわかっていない。高校も辞めたらしいな」


…仕事。

言ったら、絶対に反対される。


高校辞めたのだって、笹河が関係してるしなぁ。


いや、でも!



「む、娘の事情にそこまで入ってこようとしないでよ」



精一杯の抵抗。

無駄だとわかっているんだけどね。


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