空色パレット
「ほら、早く行くぞ。花火、コンビニで買わないとな」



「はぁい」



笹河って、緊張とかしたことないみたい。

いつも冷静だし。


あたしみたいにガキっぽいとこは、たまにあるけど。



…よく考えれば、あたし…自分のことしか考えてなかった。



笹河に嫌な思いをずっとさせていたのかも。



「笹河さん。今日は、全部…」




言えない。

言ったら、戻れない気がする。


でも、言わなきゃ…あたしの気持ち…本当の気持ちを笹河に伝えたい。




「全部……あげます」




「何を?」




「心も…身体も」




全部、あげる。




笹河なら、いいよ。




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