空色パレット
「バカか」



「は、はぁぁ?」



「俺は、人に言われてからやるような男じゃねぇ。それに、まだお前の親に認めてもらってないからな。できねぇしなぁ」



だ、だってさっきぃ…。



「焦るな。ちゃんと待ってるから」



優しく微笑んで、あたしの頭を撫でた。

ゆっくりしてたら…秋香さんに奪われそうなんだもん。


涙が溢れそうだったけど、必死に堪えて笹河にしがみついた。


「やだよ…待てないよ…」


「俺を信じろ」



信じてる。

信じてるよ。


でもね、怖いんだよ。

何が怖いのか、わからなくなるほど。


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