空色パレット
「…来た」


「え?」


おばさんが俯いてつぶやいた。
あたしは、ちらっと前を見た。

…ヤクザっぽい人だった。


「あれですか?」


「ええ」


小声で話していると、男はあたし達を見て笑った。

気持ち悪いなぁ。


「よぉ、この前はすまねぇな」


「…」


「今日は、イイ女がいるなぁ」


…あたし?

い、嫌だ、こんな気持ち悪いのは!


男は、笹河の近くの席に座った。

笹河も気づいたのか、ちらっと男を見ていた。


「おーい、ねえちゃん」


「う…は、い」


どうしよう…。

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