空色パレット
「お前、サイコーっ!」


笹河が抱き着いてきた。

サイコーなんかじゃないっ。


「笹河さんっ!」


「俺、必要なかったな」


「バカァッ」


笹河に頭を撫でられていると、おばさんが抱き着いてきた。


「ありがとうね、蒼空ちゃん」


「いいえ」


あたし、役に立ったかな。
ちょっと嬉しいけどさ…。


でも、よかった。

あの男、多分二度と来ないよね。


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