空色パレット
笹河の手を引っ張って、料亭の前へと向かった。

笹河は楽しそうに笑った。


「お前、照れ屋だな」


「違いますっ」


バカなこと言ってないでよ。

それより、あたし緊張してきた…。


料亭の中に入って行くと、笹河はズカズカと態度デカく進んでいく。


ちょっと。いいの?

そして、ある部屋の前で立ち止まった。


「…なぁ」


「はい?」


…キスをされ…た?

ええーっ!?


口をパクパクしていると、ニヤッと笑ってささやいた。


「…これが終わったら、ご褒美やるよ」


い、いらないよっ!

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