空色パレット
文句を言おうとしたら、部屋の中へと入った笹河。


「笹河さんっ」


すっごい美人の人が、笹河に抱き着いた。

モデルみたいで、うらやましいっ。


笹河は、邪魔だと言いたげな顔で女の人の肩をつかんで離した。


「今日の見合い、お断りします」


座っていた女の人の親だと思われる人に言い放った。


「どういうことだ」


父親らしき人が、笹河を睨みながら言った。


「俺には恋人がいましてね。それに跡を継ぐ気はないんで」


あたしの腕を引っ張って、アピールをした。

モデルみたいな人は、あたしを睨む。



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