寂しい決断と悲しい別れ
母がバイクを降りる決意をしたのは、昨年の秋。

たまには自分で動かそうと、久し振りに近場だけどバイクに乗って、汚れてたから磨いて、そして決断した。


『折角バイク買ってくれたけど、やっぱり歳も歳で体力もなくなったし、一緒に乗る機会も殆どないから…ごめんね』


母も苦しい決断だったと思う。

乗りたかったバイク。その気持ちに変わりはない。

でも、免許を取って10年も経ってからやっと乗った初めてのバイクは、やっぱり相当怖かったと思う。

そして、“買ってもらった”というのが簡単に「乗れない」と言えなくさせてたんだと思う。
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