消え行く花のように
中に着ている青いワンピースは、腹部を中心に血に染められ、そのぬめりでリエルの足にベタリと張り付いている。
「何があった?」
屈み込み、リエルの体を膝に抱きかかえて
顔を覗き込む。
「ジュ……ド……」
震えながら差し出された小さな手は、傷口を押さえていたのだろう、自らの血で赤く染まっていた。
その手をしっかりと握り
「しっかりしろ」
祈るように声を絞り出す。
「リエル」
再度名を呼ぶと、リエルはアイスブルーの瞳を細めて俺の瞳を見つめた。
「ジュードに……どうしても、お礼…したかったの……」
そう言って、片方の手にずっと握り締めている紙袋へ視線を投げる。
「連れてってもらったお店へ……行ったの……出たら、制服の人がいて……」
苦しげに、リエルは息をついた。
小さな体から徐々に熱が失われていく……この出血では、もう助からない。