消え行く花のように
「おお、ジュード!! リエルちゃんには会えたかい!?」
再び姿を現した俺に、ガーフィールドが振り向くなり、大きな声で問い掛けた。
本来ならとっくに店を閉めている時間を過ぎているのに、少々リエルがいなくなった責任を感じていたのだろうか、深夜だというのに店はまだ開けられており、俺が戻るのを待っていたのだと分かった。
ガーフィールドならちゃんと後を任せられるだろう……
俺は、ガーフィールドの問いには答えず、一枚の紙切れと分厚い札束をカウンターの上に置いた。
「しばらくこの街から離れる。ここに書いてあるのは俺の部屋だ……花の世話を頼む」
「な、何だいきなり?」
唐突な話に、面食らった顔をしてガーフィールドは俺を見上げる。
「花を引き取って欲しい。この金はその礼だ」
「や……待て、意味がわからん。だいたい花を引き取るのになんでこんな大金! それにリエルちゃんはどうす……」
そこまで言いかけたところで俺の瞳に捕まり、意識を失い、ガーフィールドの体は力を失い床に崩れ落ちた。
「すまんな」
一言謝り、ガーフィールドの体を引き上げ、カウンター横の椅子に座らせ、出口へ向かう。