愛してるのに愛せない
「明日から何して遊ぶ?」
放課後…
大輝が目を輝かせてあたしたちに聞く。
「それよりも、テストの結果どうだったんだよ?」
「500点満点中、250点くらい…」
500点中の250点…
良くも悪くもないなぁ…
海斗が溜め息をつく。
「お前…俺たちに勝つ自信あったんじゃないのかよ…」
「細かいことは気にしなぁい」
大輝は呑気に言うと、海斗が説教し始めた。
全く…仲が良いんだか…悪いんだか…
「海斗〜…俺ばっか説教じゃなくて彩もだぞ〜…」
「なっ!?あたし、そんな悪くないもん!!」
「じゃあ何点だよ?」
言っていいのかなぁ…?
なんか怖くなってきた…
あたしは小さな声で、二人に点数を教えた。
「480点…」
海斗と大輝が口をポカンと開けて驚く。
やっぱりなぁ…
でも、きっと海斗の方が高い点数取ってるはず…
あたしは祈るように眼を閉じた。