愛してるのに愛せない
「ほらっ早くやらないと終わんねぇぞ」
「あっ…うん」
海斗はあたしと大輝に宿題をするように促すと、台所に向かった。
「くそっ、なんで海斗はあんなに早く宿題が終わるんだっ」
「それは海斗が頭いいからでしょっ」
ぼやく大輝にあたしは理由を簡単に答える。
「効率が悪いからだよ」
台所から戻ってきた海斗が答える。
麦茶を取りに行ってたみたいで、三人分の麦茶をテーブルに置く。
『効率…?』
あたしと大輝が同時に聞く。
海斗はあたしたちに説明してくれた。
「解らない問題を無理にでも解こうとするから時間がかかる。とりあえず飛ばして解る問題をさっさとやって、後から考えてやると意外と早く終わるんだよ」
なるほど……知らなかった。
まさか、宿題がテストと同じやり方でやればいいとは思わなかった…