愛してるのに愛せない


「そうだな!彩も一緒に行こうぜっ」

「あっ……うん…」

「元気ないなぁ……じゃあ、俺が元気になる曲弾いてやる」




あたしの返事を聞いて元気がないことに気付いた海斗はそう言って自分の部屋に行く。



曲を弾く…?
楽器なんてどこにも…


あたしは部屋中を見渡し、楽器を探す。



「お待たせっ」



海斗が持ってきたのは、ギターと小さなスピーカーのような物。

そして楽譜…




「えっ!?海斗ってエレキギター弾けんの!?」



へぇ〜……ギターにも種類あるんだ…


そんなことを思いながら、あたしはジッと海斗を見つめている。




海斗は準備が終わると、あたしを見た。



「この曲…好きでさ。俺はこの曲を聴いてると元気になるんだよね」




海斗が元気になるような曲…


どんな歌で、どんな曲なんだろう…?



あたしは海斗を見つめたまま、海斗が弾く曲を聴いていた…
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