愛してるのに愛せない
「ただいま〜」
「あっ、光太さん!おかえりなさいっ」
夕飯ができると同時に兄貴が帰ってきた。
その兄貴を笑顔で出迎える彩。
「腹減った〜…今日は何作ったの?」
「今日は野菜炒めですよっ」
ほぼ毎日来ているからか…
兄貴と彩は兄妹みたいに仲良くなった。
兄貴にとっては妹ができた気分なんだろうなぁ…
俺は座って二人を見ながら思った。
そんなことを思っていると、急に兄貴が俺を見る。
「ただいま、海斗っ」
「あぁ…おかえり」
元気なく言うと兄貴が心配したのか、俺の傍に座る。
「どうした海斗?」
「ん…?何が…?」
「なんか元気ないぞ?」
「考え事してたから…」
とりあえず嘘でも言わないと心配するからな…
彩がテーブルに夕飯を並べ終わり、俺たちは夕飯を食べ始めた。