愛してるのに愛せない


「ん…」


俺は彩に手を差し出す。




「ありがと…大輝が来るまででいいから…」

「ん……無理すんなよ?」

「うん…」





彩は俺の手を握ると俯いた。



俺は彩の手が震えているのに気付くと、手を握り返した。








本当は抱きしめてあげたい…


でも、付き合ってないから抱きしめられない…





そんな葛藤が俺の中にあった。







ただ、ずっとこのまま時間が止まればいいと思っていた。
< 134 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop