愛してるのに愛せない
「やっと見つけた!」
「あっ、大輝!」
「ホントだ…」
彩は俺の手を離し、大輝に手を振る。
くそっ…いいところでっ…!
俺はせっかくのチャンスを活かせず、肩を落とす。
「やっぱ、出口か入口だと思ったんだよなぁ!」
「それ…海斗も言ってたけど、どうして?」
彩はまだわからないようだ。
俺は溜め息をついた。
「奇数で行動してて、誰かがいなくなったら彩はどうする?」
「えっと…探すかな…」
「やれやれ…」
もう一度溜め息をつくと、俺は彩が納得できるように説明する。