愛してるのに愛せない
「月城さん…髪、黒くしたんだ?」
「えっ…あっうん…」
「なぁんだ…」
「変…だよね…」
「そんなことないよ?」
「ホントに…?」
「うん♪」
「そっか…ありがと」
あたしは前の席の子と珍しく話していた。
確か…毎朝、海斗におはようって言ってる…明日香って子だっけ…
「明日香さんも…すごい変わったね」
あたしは明日香さんを見て、思ったことを言ってみた。
「どう?似合う?」
明日香さんは、夏休み前と違って変わっていた…いや、変わり過ぎかも…
明日香さんはピアスをして、髪の毛は茶色。爪にはマニキュアを塗っている。
なんか…急に色気づいて…大人っぽくなってる…
明日香さんを見ながらそんなことを思っていると、海斗と大輝が登校してきた。
「おっはよー彩っ♪」
「あっ大輝。おはよっ」
あたしが大輝に挨拶をすると、海斗も席に座ってから挨拶をしてきた。
「おはよう、彩」
「海斗もおはよう♪」
あたしの挨拶を聞いて、海斗がニッコリ微笑む。