愛してるのに愛せない
「じゃあ…北見はとりあえず一番後ろの席な」
「はい」
担任は、あたしの座っている列の一番後ろを指差した。
返事をした北見さんはあたしの横を通って席につく。
あっ…いい匂い…
あたしの横を通り過ぎた瞬間、フワッといい匂いが香る。
朝のHRが終わり、休み時間になる。
休み時間になると、大輝がすぐにあたしと海斗のところに来る。
「なぁ海斗!北見さん可愛くね!?」
「大輝…本人に聞こえるよっ」
あたしは陰口を言ってると思われるのが嫌だから、大輝に注意する。