愛してるのに愛せない
彼が爆笑していると、男の子がもう一人こちらに来た。
「海斗~、なに爆笑してんだよ~!」
「いや、ちょっとな!」
あたしが誰だろうと、男の子を見ていると笑っていた彼が
笑うのを堪えながら紹介した。
「こいつは相馬 大輝!」
「大輝って呼んでくれよな!」
なんか暑苦しそうだなぁ…
「津島と大輝って仲良さそうだね…親友?」
気になったあたしは直接聞いてみることにした。
「海斗でいいよ。」
「え…じゃあ……海斗。」
なんで名前を呼ぶだけでこんなに恥ずかしいんだろう…
きっと顔赤いよね…
「大輝は小学校からの親友。だけど、たまに煩い馬鹿だよ」
「海斗…ひどくね…?」
大輝が泣き真似をしてる…
でも海斗は大輝を無視して話を続けた。
「でも、良いところばかりだよ。なかなか頼れる」
「さすが海斗!わかってんなぁ!」
立ち直り早い…
早すぎるよ大輝…
あたしはこの二人に圧倒されていた。
「で、月城さんは?」
「えっ…?」
「月城さんの親友とか同じ学校の人とかは?」
海斗に聞かれて胸がドキンッと痛んだ。
友達は…いない…
そう言ったら、この二人は、あたしのことをなんて思うかな…
不安があたしの中で押し寄せてくる…