愛してるのに愛せない
「海斗…ちょっといい?」
体育祭が終わって、俺がベランダで一人、片づけをしてる生徒の様子を見ていると話しかけられた。
俺が振り向くと、そこにいたのはレイだった。
「んー?いいよ?」
「あのね…実は…」
レイが言いづらそうに何かを伝えようとしている。
俺は黙ってレイが言おうとしている言葉を待つ。
ついに決心したのか、レイが口を開く。
「実は…あたし、海斗のことが好き…」
「えっ…?」
俺は茫然として立ち尽くす。
「ずっと前から…転校する前から…ずっと好きだったの…」