愛してるのに愛せない
「転校する前から…?」
「うん…」
突然、ビュウッと強い風が吹く。
俺の前髪が目に掛かり、前が見えなくなる。
俺が目に掛かった前髪を掻き分けると、大輝の言葉を思い出す。
――――麗華はお前のことが好きだ――――
ふと、頭の中をよぎる大輝の言葉。
そして大輝に言った言葉も思い出す。
――――この好きが友達としてなのか、女の子としてなのかが…わからないんだよね…――――
わからない…
俺は……自分の気持ちがわからない…