愛してるのに愛せない
「月城さん?」
海斗があたしに呼び掛ける。
あたしは無理に笑顔を作ってみせた。
「友達は…みんな私立の中学に行ったから…」
それだけ言うとあたしは下を向いてしまう…
「月城?」
今度は大輝があたしを呼ぶ。
「…ん?」
「それなら俺たちがここで最初の友達な!!」
そう言ってニカッと笑う大輝。
気付けば、あたし…なんで男の子と普通に話せてるの…?
「月城さん…?」
今度は海斗があたしに呼び掛ける。
「嫌ならいいよ?無理しないでいいから」
海斗は優しいのか厳しいのかわからない…
でも、目が優しい感じ…
大輝は人懐っこい感じ…
でも、新しいことに興味を持つ子…
あたしは、少しずつ変われるかもしれない…
この子たちは、あたしを変えてくれるかもしれない…