愛してるのに愛せない
家が見えてきた頃、車が家の前に止まっていた。
「あんな色の車…あったかな…?」
暗い道で、黒だか何だかわからない車が止まっていて、俺は首を傾げた。
――――ズキッ…
「いってぇ…」
突如、頭痛が俺を襲う。
俺は頭を押さえつつ、家に歩く。
前に止まってる車をよく見ると、車の中には男と女の二人だけがいた。
どうやら夫婦のようだ。
その二人はこっちを見て、何かを話していた。
「なんだよ…いったい…」
気にはなったが、俺はあえて家に入る。