愛してるのに愛せない
――――ズキッ…ズキッ…
家に帰ると兄貴がいたが、俺はとりあえず制服から私服に着替え、台所に向かう。
水を飲み、テーブルに伏せていると兄貴が俺の顔を覗きこんできた。
「海斗…どうした?」
「いや…頭痛くて…」
「今日は寝た方がいいんじゃないのか?」
「ん…大丈夫…」
心配そうに俺を見る兄貴に、俺は作り笑いを見せる。
「いつから痛いんだ?」
「ここの外に止まってた車を見てから…」
「えっ…?」
兄貴の顔色が変わったのを俺は見逃さなかった。
きっと兄貴は何か知っているんだろう…
俺は兄貴に、止まってた車のことを聞いてみる。