愛してるのに愛せない
「海斗…大丈夫…?」
「…………」
海斗から返事がない…
「大丈夫。気を失っているだけだよ…」
男の人が優しい口調で言った。
あたしは、海斗の額に濡らしたタオルを当てて、一息つく。
「あの…あなたたちは海斗とどんな関係があるんですか?」
あたしは、ずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。
だって、光太さんは…海斗の親は死んだって言ってた…?
あれ…?
あたし、今なんて思った…?
『海斗の親は死んだ』ってことは……光太さんの親は…?
あたしは疑問が膨れあがって、何を聞いたらいいのかわからなくなった。