愛してるのに愛せない
それからも、あたしたちは海斗が目を覚ますのを待ち続けた。
外が暗くなり、もうすっかり夜になっていた。
――バタンッ…ドタドタ…
慌ただしい物音…。
光太さんが帰ってきたようだ…。
「海斗っ!!」
勢いよくドアを開けて海斗の名前を叫ぶ光太さん…。
あたしたちは驚いて、全員で振り向いてしまった。
「なんで…こんなことに…?」
「学校から帰ろうとしたら、海斗の元の親だという人達が現れて…海斗が急に…」
光太さんにあたしはできる限り詳しく話す。
全て話し終わり、あたしは光太さんの目をジッと見つめる。