愛してるのに愛せない
「さて、どこから話すべきかな…」
困った表情で、光太さんが腕を組む。
みんなが静かに光太さんが話すのを待った。
でも、あたしは待っていられず、光太さんに聞くことにした。
「じゃあ……この人たちは誰なんですか…?」
「この人たちは……海斗の実の親だよ…」
海斗の……実の親…?
本当の親…?
「光太さんは、海斗の親は死んだって言いましたよね…?」
あたしはさっきから持っていた疑問を光太さんに聞く。
「なのに、この人たちは海斗の親。いったいどういうことなんですか?」
「それは…」
光太さんが海斗の実の親という人たちに目配せする。
目の合った男の人が頷くと、光太さんは話を続けた。